大切な4つのこと

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1・コミュニケーションツール

この読書感想文の書き方講座では、読書感想文を文を書く練習とは捉えず、子どもと大人が普段ではとらない本を通してのコミュニケーションをとる、という捉え方をしてください。本を通して、子どもの感情を共有する、ということを大切にしてください。感情の共有は信頼関係につながります。普段の生活のなかでは、なかなか共有するだけの時間がないので、この機会に、子どもがどういう場面で、どういう感情を持つのか、どういう考えを持つのか、ということを楽しみながら取り組んでください。これは大人には、「聴く」ということの練習になります。子供の感想文ですからね、自分の感想を言う必要ありません。ただひたすら「聴く」ということになります。普段の生活のなかではなかなかできない体験だと思います。思わず感情が動くこともあると思います。そんなときは、自分のものの捉え方がそういう風なんだな、ということを感じてみてください。意外と面白い発見があるかもしれません。

2・自分の感想を知る

高学年以上になれば、ある程度「あ、これが自分の感想なんだな」と思えるかもしれませんが、中学年以下ぐらいだと、なにが自分の感想かを分かっていない可能性があります。みんな同じ気持ちになると思っている可能性があります。そう思うと、「みんな分かっているのに、なんで書かなくちゃいけないの?」と書くことの意味を感じられなかったりするかもしれません。ですから、どんな気持ちであっても、それはあなた自身の感想なんだよ、ということを感じることが大切です。みんな同じ感想ということはありえません。それを知ることは、実は他者を受け入れる準備だったりもします。少し話は飛びましたが、大人側としては、子どもは「感想」が何なのか知らない可能性があるということを前提として持っておくことは大切です。

3・まずは型

とにかくまずは型通りにやることが大切です。特に作文を苦手だと感じてしまっている子どもにはここは外せません。自由に書く、ということが一番難しかったりもします。ですから、まずはどんな内容であれ、型通りにやることが大切です。そして、慣れてきて、自信がついたら、自分の思う通りにやっていくということです。今回はそこまではいきません。とにかく、こういう型でやれば、3枚(中学生は5枚)書けるんだということを感じてもらえれば十分です。型通りやって個性は出るか心配かもしれませんが、今までこの通りやって、まったく同じになったことはありません。みんな一人一人の個性がしっかりと出る結果となりました。型がしっかりしていることで、逆に安心して自分の思うことを書けるからかもしれません。ワンパターンだと感じるかもしれませんが、まずはそれをしっかり繰り返してください。子どもが「またこのパターン?」と言った時は、次へのステップの時かもしれません。そうすると次につながります。

4・自分には書くことができるのだ、という自信

作文が苦手だという子どもには様々な段階があります。一つ目は経験がない、ということです。普段日記を書いていれば別だとは思いますが、実は今まで1200字も書いたことがない、ということがあります。やったことがないのにいきなりやれ、というのに、得意だとはいえないですよね。だからそういう子どもには、まずは3枚書いた、内容はどうであれ、作業として3枚、1200字を書いた!という経験をすることが大切なことになります。

二つ目は、書くことがない、と思っていることです。感想なんか、おもしろいかおもしろくないくらいしかないと思っていることがあります。これは大人がそう思っていることもあります。そうすると、あらすじを書いておいたらいいよ、ということになってしまいます。だからまずは、「書くことがある」ということを知る必要があります。この前提があるかないかでも取り組むときの違いが変わってきます。ですから、まずは「書くことはあるんだよ」ということが伝わるといいなと思います。

三つめは、漢字が書けない、字が上手ではない、ということです。結構なハードルになっているときがあります。今回は漢字の練習ではないので、とりあえず下書きのときは気にせずどんどん書くようにします。書いたこともなくて、書くこともないと思っていて、さらに漢字を考えなければいけない状態では、とてもではないですが、1200字書くということはしんどいです。今回は漢字の練習や字の練習ではないので、とりあえずそこは置いておくようにしましょう。

四つ目は、句読点の打ち方、段落の分け方、原稿用紙の書き方がわからない、という点です。そもそも句読点は「読みやすさ」ということであり、決まった規則があるわけではありません。だからこそ苦手意識を持っている子どもには難しいともいえます。どこで段落を分けるのか、というところで戸惑う子どももいるでしょうし、かっこが文末にきたらどうなるのか、というところで戸惑ってしまう子どももいます。

このように単純に「書く自信がない」といってもそれぞれの段階があります。今のところ、作文が苦手という子どもは、上記のうち複数、あるいはすべてに当てはまっていることがあります。

今回はあくまで3枚を書き上げるということが目標なので、これらの指導はしません。すっとこちらで指示してしまえばOKです。

字が汚くても気にしない、漢字で書けてなくてもOK、文を書くときのきまりは大人がその都度教えればよい、ということです。あくまで第一目標である、1200字を書き上げるということに集中します。

苦手なことをやるときの大原則は、スモールステップです。一時一事の原則です。一度に多くを望まないようにしましょう。

あと、最初に子どもに尋ねることは、下書きで書くのか、清書として書くのか、というところは確認したほうがいいかもしれません。本人が清書を選べば、子どももそれなりにきれいに書こうとするし、ちょっと字が乱雑になったときにも、そこを共有しておけば、指摘をしても、それほど嫌な気分にはならないと思います。

以上でこの「コミュニケーション読書感想文の書き方」についての捉え方、考え方、気を付けることは終わりです。

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