いざ実践

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ここでは実際にどのように書くのかを書いてみます。

参考図書は、「ぼくがラーメンたべてるとき」です。長谷川義男さんです。

はい、じゃぁやろうか。この宿題終わったら、結構いい感じ?(一度読書感想文で苦労した子どもなら同意すると思います。) だよね~ っていうか何枚?(小学生はだいたい3枚です。中学生だと5枚のときがあります。念のため学校からもらった読書感想文に関するお知らせを持ってきてもらっています。名前を原稿用紙のマスのところに書くのか、それ以外に書くのかというところも何気につまってしまうことがあるので。)

さっさと終わらせちゃお!(子どもの気持ちに寄り添う感じで)

とりあえずさ、今日は下書きにする?清書でもいいけど、どうしたい?(どうする?よりもどうしたい?のほうが意志を問う感じでよいかもしれません。)

下書きにするなら適当に字を書いても大丈夫だけど、清書だとある程度丁寧に書かなきゃいけないよ。(普段から字を丁寧に書いている子は特に下書きはいらないというときもあるので。)

清書で書くのであれば、多少漢字とか直しながらやるけど、どうする?(ここも結構重要。なにも言わずに漢字の訂正をすると、余分なところでマイナスの気分が出てしまいます。事前に伝えておけば大丈夫です。)

オッケー、じゃ下書きということで。(原稿用紙が清書用、下書き用とあったりします。私は事前に塾でも用意します。家であれば、下書き用の準備がいるかもしれませんね。)

じゃあとりあえず本の題名と名前を書いて。(まずは書き始めるということをやるのがいいかなと思ってこのようにしています。)

この本はどうやって選んだの?(なんでこの本にしたの?)でも可能。

そうかぁ、お母さんが勧めてくれたんだ。オッケー。じゃ書くよ。鉛筆持って。(結構出だしで躓くことが多いので、ここを簡単に始めることで、結構いい感じになることが多いです。)

じゃ先生の言う通りに書いてね。

1マス空けて、「私がなぜこの本を選んだかというと、(てん)(子どもが書くスピードに合わせていってあげてください。句読点もこちらで指示してあげるとかなり子どものハードルは下がります。そこまでするの?と思うかもしれませんが、苦手なことだし、やったことがないことをやろうとしているので、全然これくらのサポートは問題ではありません!)お母さんに勧められたからです。」

はい、オッケー。出だし順調。(最初が書けただけでも、結構子どもはうれしい表情になることが多いです。出だしは結構大事です。こんなんでいいんだ、という感覚を持ってもらってハードルを下げたいところです。)

じゃ次ね。この本にはだれがでてくるの?(どんな人がでてくるの?なにがでてくるの?その人たちは何をするの?といったあらすじを書くための質問をします。最低限、主役が分かればいいですし、登場人物が何名かいるときは、人数を書けばよいです。)

なるほど~ 小学生の男の子がでてくるけど、ほかにもたくさんでてきたりするんだね~。なにかしてるの?ほぉ最初はラーメンを食べていたけれど、途中から変わって行ったんだ。オッケー。じゃ今からあらすじ言うから、言う通りに書いてね。

1マスさげて、この本は、小学生くらいの男の子がでてくる本です。オッケー!以上であらすじ終わり!(いままであらすじで文字数を稼いでいた子どもはここでびっくりします(笑)不安そうな顔をしていたら、大丈夫大丈夫書くことたくさんあるから。ここはスーパーあらすじでOK、といったりもします。(スーパーとかいう言葉は結構子どもたちは好きです。)

じゃ、次ね。この絵本のなかから、好きな場面(ページ)をひとつ選んでくれるかな。まぁ好きじゃなくてもいいし、おもしろかったとか、なんとなくでもいいからひとつ選んでくれるかな。(とにかくなにか気持ちが動いたということが分かる場面であれば、どこでもいいです。)

おぉこのページね。じゃあちょっとこのページをこっちに写してくれるかな。だいたいでいいからね。(ここは絵が好きな子、嫌いな子でアプローチは違ってきます。好きな子どもはそのまま書かせればいいですし、嫌いな子どもだったら、棒人間でもいいし、だいたいこんな感じってのでもいいからね。私自身が絵が下手なので、サンプルだけ書いて見せることもあります。また上に紙を置いて、透かせて書いてもらってもよいです。色はできれば3色以上あるといいですね。結構時間がかかる場合もありますが、時間がかかるということは、しっかりと書いているということで、より脳に記憶されるので、その後スムーズに行くことが多いです。)

~絵、終了~

一旦原稿用紙はしまって、絵の書かれたA3の用紙だけにします。今度はこちら(大人)が書きます。

(絵を見ながら)なんでこの場面を選んだの?好きだから?おもしろいから?なんとなく?(なんとなくでも大丈夫です。)

オッケー。なんとなくね。っていうかこれは何をしているの。(絵本の場合は一目瞭然なので、それをそのまま伝えてあげてもOKです。ここで話す子どもはたくさん話します。ひたすらあらすじを話してくれる子どももいます。最低限主語と述語だけは押さえてください。いろいろとでてきたら、そのままメモしてください。文章が長い場合はここで確認しもらってもOkです。ただあまりにも長い場合は最低限にしてください。このあとにいくらでも書くことはあるので。)

だよね。ラーメン食べてるんだよね。オッケー。じゃ書くよ~鉛筆持って。

1マス空けて、私がなんとなく気になった場面は、小学生の男の子がラーメンを食べている場面です。(ここが選択場面のスーパーあらすじです。)

おっけー。じゃ次ね。一旦鉛筆置いてくれるかな。(ここから子どもにインタビューする感じで、そのインタビューしたことを絵に書き込んでいきます。(書き込み方は例にあったようにです。)

そういえば、この場面って、何色的な場面?(特にこだわる必要はないですが、色というのもその子の印象のうちのひとつです。ぱっと出てくる子もいますし、出てこない子もいます。出てこない時は、だいたいでいいからね。といったり目をつぶって選んでもらったりしても大丈夫です。)

おっけー黄色ね。なんで?あ~ラーメンの麺の色ね(笑)

じゃ黄色で。

なんでこの場面が気になったんだと思う?

うーん、よくわからないなぁ。

おぉそうか。よくわからないけど、なんとなく気になったんだ。(紙には、よくわからない、気になった、とメモします。)

っていうかなんでラーメン食べてるの?

ほかのページではね、いろいろな国の人がいろいろなことをしているんだけど、この男の子はラーメンを食べているんだよね。(一応聴く側は、本を読んでいないという前提です)

そうなんだぁ(生徒の言葉を聞きながら紙にメモをします。ほか、国、いろいろ、男の子、ラーメン、というような感じです。)

オッケー。じゃちょっと書いてみようか。(ここで実際に書くか、もう少しいろいろ聞いてから書くかはそのとき次第です。)

じゃぁ書こうか。1マス空けて(そろそろこの辺りで1マス下げることが分かってくる子どももいます。そんなときは、そうそうばっちり、などといって、できたことを確認したりしています。ほめはしません。)

男の子は家でラーメンを食べていたのですが、(てん)ほかの国の人たちはいろいろなことをしていました。(まる)そして男の子はラーメンを食べていました。(まる)この場面がなんとなく気になった場面です。(最初の場面あらすじとかぶることもありますが、それでもOkですし、気になるようでしたら、ここは飛ばしてもOkです。)

ここから選択した場面を展開していきます。

もし、自分だったら男の子だったらどう思う?(どうすると思う?という行動のほうが分かりやすくていいかもしれません。どういう気持になる?でもOkです。)

生徒:え~もし自分だったら?なんか自分だけラーメン食べてて、ほかの国の人が倒れたりしてたら、少し悲しいかも。(メモは、自分だけ、ラーメン、ほかの国、人、倒れる、少し、悲しい)

私:なるほど~ 少し悲しんだねぇ(このあたりでオウム返しをしたりしながらやるとスムーズにいける可能性があります。)

私:少しなんだねぇ。たくさんではないのはどうしてかな?(細かい表現、ちょっとしたことも突っ込みどころ満載です。どうしても迷ったら、なんとなく、という表現や、よくわからないけど、そう思います。という流れにしてもOkです。ここは聞き手がしっかりと純粋にひとつひとつの言葉に対して丁寧に聞き、素直に疑問に思うことが大切です。)

生徒:やっぱり、人が倒れているのはよくないと思うし、自分はラーメン食べられて幸せなのに、そうじゃない人がいるとなんとなく悲しい。(メモは、人、倒れ、よくない、ラーメン、食べる、幸せ、じゃない、なんとなく、悲しい)

私:ちょっと確認させてもらっていいかな。えーと(メモを見ながら)人が倒れているのはよくないと思う。そんなときに自分はラーメンを食べて幸せ。でも、そうでないひとが いると思うとなんとなく悲しい、ということでいいかな?(確認作業 悲しいという感情語がでてきたので、ここでいったん区切ってOkです。)

生徒:いいです。

私:じゃあ書いてみようか。いくよ。もし、(てん)自分が男の子だったら、ラーメンを食べているときにほかの国で倒れている人がいると思ったら、少し悲しいです。(まる)なぜかというと、(てん)やっぱり人が倒れているというのはよくないと思うからです。自分はラーメンを食べて幸せなのに、そうでない人がいると思うとなんとなく悲しくなります。(このあたりは書くスピードを見ながら、それに合わせて言っていきます。漢字で書きたいという意志があって、それで戸惑っている場合は、すっと教えてあげましょう。)

私:こんな感じでいいかな?(結構確認はしたりします。書けたということが目に見えてわかるので、子どもも少しずつのってきたりもします。)

ここからは、もしもし・なぜなぜパターンです。できれば、感情語がでて、その感情を持つ理由までたどり着けたら、一旦区切りという感じでよいと思います。

もし、僕が倒れている人だったら・・・

もしこの男の子がお母さん(お父さんだったら、妹だったら、お兄ちゃんだったら)だったら・・・、~だと思うと思います。

もしラーメンじゃなかったら・・・・

もし未来だったら・・・

などそこにある状況や登場人物、モノを使ってひたすら妄想していきます。いろいろとでてくるとは思いますが、感情語には気を付けてやっていってください。感情語がでてきたところで、一区切りといったところです。

その後、もうすべてのもしもし・なぜなぜを出し切ったと思ったら、次の場面にいって、同じことを繰り返します。このやり方をすれば、どれだけでもできます。

そして、文字数(枚数)がいったところで終了です。

3枚であれば、だいたい1場面の絵でたどり着くことが多いです。2場面の絵を描けばほとんど到達できると思います。5枚の場合は中学生ですし、こちらも2場面の絵があれば大丈夫だと思います。)

私:いやーもう終わりだね!!やったね(このあたりは共感を使いながらよい気分で終われるようにしたいですね。)

最後は今まででてきた場面の数を書いて気になったのか、面白かったのかを書きます。ひとつの場合は、この場面が一番気になった場面です、で大丈夫です。

私:以上の3つが私が気になった場面です。

私:塾の先生が薦めてくれたので、この本にしましたが、たくさん考えることができてよかったです。(この文の前半は、書き出したところをそのまま引用すればOKです。後半は、で、どうだったの?と聞くと答えが返ってきたりします。なにも帰ってこなければ、考えたということは確かなの野で、上記のように書けばOKです。)

私:はい、終了!!

でもいいですし、最後にちょっと、「これからなにかしていこくと思うことある?」と聞いてもいいと思います。なければこれで終わりです。

私:どう?これからなにかしていこうと思うことある?

生徒:うーん、まぁラーメン食べるときは感謝しながら食べようかな。(メモはラーメン、食べる、感謝、食べる)

私:なるほどね~じゃあそれ書いて終わりだ!行くよ~。1マス下げて、これからはラーメンを食べるときは、感謝して食べようと思います。(ここは別に本当にそれをやる必要はないと思います。そそういう気持を持ったかもしれない、ということだけ、それを紙に書き留めたということが大切です。)

という感じで終わります。

子どもたちはあっという間に終わったことに驚きます。

あ、書くことがあるんだ。こんな感じでいいんだ、という雰囲気になります。

本当にいい顔するんですよね~ そんなに読書感想文、嫌なのかと思いますけど(笑)

このやり方で今のところ、学校でダメ出しをもらったという報告は来ていません。おそらく先生もとりあえず提出すればOk。あらすじばっかりでなければOKというスタンスの方が多いだろうと思っています。(もちろんそうでない先生もいらっしゃるので、お忘れなく)

でも毎回これをやって思うのが、やっぱり自己表現って楽しんだろうな、ということです。子供って図工とか音楽とか体育とか楽しそうにやるのって、何気に自己表現をできるからなのかな、と思います。

だから、この読書感想文も文を使った自己表現なわけで、きっとできれば楽しいと思うんですよね。もちろん、体育が嫌いな生徒がいるように、全員がそうなるわけではありませんが、すくなくとも宿題が終わった!ということはさすがに多くの生徒はうれしいはずなので、それでいいんじゃないかと思います。

とにかく書くことがあったということ。

書けたということ。

ということが何よりも最初のスモールステップなのかなと思います。

こんな楽しいことを私が独り占めしてしまうのはもったいないと思うので、ぜひ多くのみなさんにやってもらいたいと思います。

でも、いきなり自分の子どもでやるのは難しいと思います。できたら、ご友人のお子さんといっしょにやると最初はいいと思います。で、お互いの子どもをやり合うこともとても素晴らしいことだと思います。子供が自分の親以外にも自分の気持ちを分かってくれる人がいるって子どもにとってとても勇気づけになると思います。みなさんも自分の子どもではなければ、寛容になれるとよく口にされるので。

 

 

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